
仮面は、真実を語るためのデバイスである

●人間にとって「顔」とは何か。
- 人間は顔なしにその人を思い浮かべる事は決して出来ない(手紙等言語的表現が媒体でも無意識に相手の顔を想像している)
- 肖像彫刻、肖像画は顔だけに切り詰めて表現する。これを突き詰めたものが「面」である。

●彫刻は静止するもの、仮面は動くもの
- 面は被って動く役者の肢体や動作を己の内に吸収してしまう。肢体による表現が面の表現となる。面は元来人体から肢体や頭を抜き去ってただ顔面だけを残したものである。しかるにその面は再び肢体を獲得する。人を表現する為にはただ顔面だけに切り詰める事が出来るが、顔面は自由に肢体を回復する力を持っている。

●呪術的・宗教的・儀式的演戯が劇に転化
- 宗教的な儀式の所作事の為、一定の人物表現の為に必要とされた。軈て所作事が劇に転化し登場人物が複雑化し面は分化する。
- 仮面仮装において神と人間との間の関係は、仮面を付ければ人間が神になってしまう。人間と精霊が協力して世界の秩序を維持する社会。宗教的ではなく呪術的社会。
- 外被の観念・脱皮と羽衣
世界各国の羽衣伝説 羽衣を取るとただの人になってしまう。
脱皮の神話 人間は昔蛇の様に皮を脱いで若返っていた。蛇は一代限りであった。あるとき賭けをして負けた人間は死に、蛇は皮を脱いで若返るようになった。

●仮面の分類
顔に付けるマスク、頭上や頭下に付けるマスケット、建物の破風に飾るマスコイド
- 狩猟仮面
人間は初め狩人として立ち、獲物に近づく為に仮装した。そしてその後狩猟に関して行われる厳粛な呪術的宗教的舞踊乃至儀式的演戯が誕生する。それによって獲物が捕らえられると考えた。
マンダンインディアン野牛舞踊、トーレス・ストレイト諸島呪像船上儀式、アフリカイヴォリー・コースト狩猟仮面 - トーテム仮面
動物、植物、樹木は世界創世に応ずる適合物創製である。人間の祖先。発生始源。
人間とトーテムには呪術乃至宗教的結合がある。加護を願う。同一血属なので食用禁止。兵器や身体に絵を描く。動物・植物を尊重しその種を保存し、且つ進化に努力。(牧畜・植物栽培の起源)又はオーストラリアインチチウマ儀式ではトーテム動物の肉を食べ血を啜る事によりトーテムと結合すると考えた(進化して肉の代わりに麵、血の代わりに葡萄酒が聖餐式に用いられた)同じトーテムの者は性的関係を結んではならない。
北アメリカ、オーストラリア、インドドラヴィタ族、アフリカバンツウ族、アフリカイヴォリー・コースト仮面 - 妖魔仮面
悪霊退散の仮面。
コンゴ、ニューギニア、エスキモー、北アメリカ、セネカ模擬秘密結社の妖魔仮面 - 医術仮面
病魔仲間を思わせる仮装仮面を付け面白く躍り、病魔を病人の身から誘い出し、新しく用意した病魔の住家、即ち医師の身へ移す。医師は村外れに行き仮死状態になり妖魔を取除く。
ボルネオ、アリゾナ、シベリアブリアート族、ブルマ疫病用医術仮面 - 追悼仮面
死人の精霊復帰の体現を示す
ニュー・アイルランド、ビスマルク、ブル - 頭蓋骨仮面
亡くなった呪術師や戦士長の精霊の力は保存される。
ニューギニア、トーレス・ストレート諸島、ニュー・イングランド、ベンガル湾東部アンダマン諸島、メキシコ頭蓋骨仮面 - 霊的仮面
樹木に精霊を見出す、死人から善意の行為を求める、
メキシコ、インド、ニュー・ブリテン象徴的霊的仮面 - 戦争仮面
単に敵を驚かすばかりでなく、楯や兜や仮面に超人間的な力を体現させる。
ニュー・ブリテン、英領コロンビア軍事的舞踊仮面 - 入會仮面
秘密結社入会時に用いられる。成年式、男子のみ。儀式- 断食、恐怖苦痛の抑制
- 割礼、抜歯
- 部族的婚姻規制の教授
- 部族伝承の秘伝的劇的舞踊
- 雨乞仮面
象徴的動作、対話、歌躍り インディアンズーニー族 - 謝肉祭仮面
悪い歴史。仮面の保護に隠れて人々を怖がらせ、近所の物を奪い、道路で乱暴狼藉をする。
アルプス山麓、ヨーロッパ。邪神の仮面



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